祇園精舎の鐘の声
諸行無常の響きあり
沙羅双樹の花の色
盛者必衰の理をあらわす
でお馴染みの『平家物語』。
諸行無常の響きだとか、盛者必衰の理だとか言われても、正直いまいちピンと来ないしわかりづらい。
学生時代に授業で習った気はするけれど、もう忘れてしまった。
そんな中で唯一、何となくでも想像が出来るのは沙羅双樹の花でしょうか。
とは言え沙羅双樹の花って実際にはどんな花?
沙羅双樹の花の色ってどんな色?
という方に是非お勧めしたい場所が、京都にある東林院というお寺です。
東林院とは?
普段は非公開の塔頭寺院で、一般には年に2回ほど特別公開があります。
その一つが毎年6月に行われる沙羅の花を愛でる会です。
場所は少し奥まっていますが、南総門から行けばわかりやすいです。
南総門から続く道を真っ直ぐ北へ進み、左手に見える仏殿を通り過ぎたら右に曲がります。
突き当たりまで進んで左に曲がるとその先にあるのが東林院。
門をくぐる前に受付がありますので、そちらで拝観券を購入出来ます。
沙羅双樹の花の色、は何色?沙羅の花を鑑賞してみよう
こちらが沙羅の花が見られる方丈前庭です。
沙羅の木が十数本植えられているそうです。
沙羅の花は一日花と言われますが、それは朝に開花し、夕方には落花するからです。
残念ながら昨年訪れた際には見頃を大分過ぎてしまい、ほとんど目視が出来ませんでした。
なかなか拝観のタイミングが難しいところですね。
ちなみに沙羅双樹の花の色は、花びらが白、しべ(中心部分)が黄色です。
抹茶と和菓子付きの拝観券も
沙羅の花の鑑賞は楽しめませんでしたが、その分お庭の鑑賞を楽しみ、御住職の法話を拝聴。
和菓子抹茶付きの拝観券1600円を購入していたので、沙羅の花が表現された可愛らしい和菓子をいただくことが出来ました。
毎年この会のためだけに作っていただいているのだそうです。
こちらの和菓子にも、沙羅の花の色が表現されていますね。
やはり沙羅双樹の花の色=白と黄でした。
さいごに
寒さに弱い沙羅双樹は日本の気候には適しておらず、なかなかお目に掛かることが出来ません。
そのため寺院などにある沙羅双樹には、見た目が似ている夏椿が代用されているそうです。
確かに本物の沙羅の花と見比べてみると夏椿はかなり大振りですが、白と黄色の花である点においてはほぼ同じ、かなり似ていました。
『平家物語』では、世の移り変わりを一日花である沙羅双樹の花に例えて表現しています。
栄枯盛衰、つまりどのような物事(諸行)にも良い時と悪い時があり、不変ではなく、それを繰り返す人の世の儚さ(無常)が謳われているのです。
東林院の沙羅の花を愛でる会の楽しみ方は人それぞれ。
とはいえ常日頃からすぐそばにある難しいことを考えるのは一旦やめにして、ただ単純に、ただ純粋に、沙羅の花の美しさだけに注目し、その儚さ・無常さを味わってみると、自分の中に新たな境地を見出すことが出来るかもしれません。
2023年の沙羅の花を愛でる会の開催期間は
6/12(月)〜27(火)です。