立華の京都探訪帖

1200年の都を歴史・文化的視点から楽しむ旅記録 ᝰ✍︎꙳⋆

大覚寺の名古曽橋下に咲く美しい睡蓮の花

 

先日の記事関連の投稿です。

 

先日大覚寺に新しくできた名古曽橋を見に行ったのですが、橋の下に睡蓮が咲いていました。

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写真の橋が名古曽橋です。

 

お恥ずかしながら、これは睡蓮だと言われたので「ああ、そうなんだ」とわかりました。

知識がないので、もしこの睡蓮をハスだと言われていたとしても「ああ、ハスなんだ」と思っていたはずです。

では睡蓮とハスには明確な違いがあるのでしょうか?

 

睡蓮とハスは同じ花?

結論から言うと別物です。

昔は同じスイレン科に属していたようですが、今はスイレン科とハス科それぞれに分類されているようです。

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ハスの花は水面から飛び出た茎の先に咲きますが、睡蓮の花は水面に浮かんでいます。

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葉っぱの違いもあります。

睡蓮の場合は、上の写真のように平べったく切れ込みが入った丸い葉を持ちますが、ハスの葉にはそれがなく、まるでキャベツのような曲線を帯びた葉っぱです。

 

私は知識がないので、睡蓮とハスが別物だということならば、よく仏教画に描かれているあの花々は、どちらが描かれていても良いのではなく、どちらか一種に限られるべきなのだろうかと考えました。

しかしながら古くから仏教と関わりがある「蓮華」は、睡蓮やハスの総称だそうなので、結果どちらが仏教画に描かれていてもおかしくはないということのようです。

 

不吉な意味を持つ?色によって変わる睡蓮の花言葉

白の睡蓮の花言葉は、その見た目の通り「純粋」や「純真」などです。

他の色の睡蓮も「信頼」などの好ましい意味を持つものばかりです。

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しかしながら、過去には睡蓮の存在自体が不吉とされたこともあったようです。

それは睡蓮の花を太陽の象徴として拝めていた古代エジプトがのちに衰退してしまったことから、睡蓮には「滅びる」「滅亡する」といった負のイメージが付きまとっていたからだそうです。

 

とはいえ古代エジプトにおいて、睡蓮の花は復活の儀式の際にも用いられていたそうなので、再建したばかりの名古曽橋の下に睡蓮が咲いているということには、何か意味を感じてしまいますね。

仏教でお釈迦様の足元に蓮の花が咲いているのと同じように、名古曽橋の下に咲く睡蓮が、名古曽橋をとても尊い存在のように感じさせていました。

 

さいごに

個人的には睡蓮(スイレン)の花には、洋画・モネの『睡蓮』のイメージが強いこともあって、西洋的な印象を持っています。

そのせいか私の中で仏教的なイメージが強いのは睡蓮よりも蓮(ハス)の方ですね。

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今の時期の大沢池は緑も楽しめますが、こういった花々を楽しむことができる点もとても良いです。

 

昨年は6月末に半夏生を楽しむこともできたので、気になる方は昨年の大覚寺訪問記をご覧くださいませ。

 

いつもありがとうございます!