立華の京都探訪帖

1200年の都を歴史・文化的視点から楽しむ旅記録 ᝰ✍︎꙳⋆

令和6年度「春期京都非公開文化財特別公開」梅辻家住宅(2024)

 

まずは梅辻家です。

梅辻家は上賀茂神社の社家の一つで、賀茂七家と呼ばれた社家でもあります。

 

 

特別公開されたもの

  • 社家住宅(市指定)
  • 源氏物語貼交屏風
  • 江戸城本丸秘図
  • 龍の口(庭園にある排水のしくみ)

 

社家には珍しい!男部屋のある長屋門がお出迎え

春の特別公開の公式手引によると、社家住宅には薬医門を使うのが一般的のようですが、この梅辻家には主に武家屋敷で使用されていた長屋門が使われています。

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わざわざこの形式の門にしているわけですから、その必要があったのでしょうね。

土塀でしっかりと囲われている点も印象深いです。

 

門をくぐった先には見どころが満載

拝観受付は、社家住宅の表玄関である式台です。

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上の写真ではわかりづらいですが、鳥居型の内玄関もすぐ近くにありました。

写真右にある扉はお庭の入口です。

 

御所から移築された御学問所(書院)で展示品を鑑賞

受付後には、ガイドの方のお話を聞きながら書院を見て回りました。

現在の京都御所は1788年の天明の大火以降に再建されたものですが、その大火の際に焼け残った御学問所が、現在は書院として梅辻家で使われています。

そのような経緯もあって、本来であれば国宝級の貴重な建物なのだそうです。

御所からの移築ということで、菊紋の意匠が見受けられる場所もありました。

その他展示品には、江戸城の本丸内の道筋を示した図面などがあり、当時の方々の苦労が偲ばれました。

 

庭園にも見どころがたくさん

書院の前庭には、龍の口と名付けられた雨水を排水する仕組みが設けられています。

龍の口は水はけをよくするための技術ですが、初めてお目に掛かったものだったので興味深く見学してきました。

扉のすぐ横には、御印殿収蔵庫もありました。

現在は使われていませんが、かつては神主の実印が保管されていたという収蔵庫です。

 

さいごに

梅辻家は、春と秋の特別公開への参加が常連とも言える場所ですが、私は今年ようやく現地を訪れることができたので本当に嬉しかったです。

同じ「社家」であっても、社家によって建築様式などが異なる点もあるということが勉強になって面白かったです。

 

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