京都には織田信長ゆかりの地が多くあります。
大徳寺はその一つです。
特に総見院は、信長公の一周忌にその追善菩提のため、豊臣秀吉が建立した塔頭寺院です。
信長公死後に建てられたため、生前の彼自身は全く関わりが無かったお寺ですが、本堂には信長公の木像が安置されており、まるで信長公が境内を見守っているかのように感じられます。
総見院は通常非公開なのでいつでも拝観できるわけではないのですが、毎年春と秋に特別公開があるため、今のところは拝観の機会が豊富にある塔頭寺院だと思います。

受付で拝観料を払ってから順路を進み、本堂内へとお邪魔します。
拝観は時間ごとに開始されるツアー形式なので、締め切り時間までは堂内で待ちます。

本堂内では、木造の織田信長公坐像を拝見します。
坐像の大きさは高さ三尺八寸(約115cm)の等身大だそうですが、現代の感覚で言うとかなり小柄に感じますね。
慶派の仏師、康清によって作られた重要文化財です。
本堂を出てから境内をぐるっと一周するのですが、次に見学するのは「茶筅塚」です。

その名の通り、茶筅を祀った塚で、茶にゆかりの深い大徳寺らしいですね。
実際に総見院では、豊臣秀吉が「大徳寺大茶会」という催しを行なったとのことで、茶の湯との関わりが深いのだそう。
本堂の後ろには茶室が並び、内部には入れませんが、外から拝見できました。

総見院には3つの茶室があります。
茶室を見学した後は、信長公一族の墓でお参りを。

一族7基の五輪塔がずらりと並んでいました。
境内には秀吉が愛したと伝わる椿が残っています。
日本最古の胡蝶侘助と言われ、樹齢約400年もの歴史があるそう。
見頃は早春らしいので、いつかその絶好の時期に拝観できる機会に恵まれたいものです。
さいごに
総見院の開山は、古渓宗陳という人です。
茶人・千利休にとっての参禅の師(禅の指導者)で、かなり仲が良かったそうです。
利休の死後、秀吉は大徳寺そのものを潰そうとさえしたのですが、古渓が命を懸けて抗議したと言われています。
それが本当だとすると、彼がいなければ、大徳寺は今日まで残っていなかったかもしれませんね。

しかもこの古渓宗陳という方、来年の大河ドラマの主役に決まっている豊臣秀長の葬儀の主導を任されるなど、秀長から寵愛を受け、深い親交があったという注目すべき人物です。
これは確実に来年の大河に登場しそうですね!
楽しみです。
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