立華の京都探訪帖

1200年の都を歴史・文化的視点から楽しむ旅記録 ᝰ✍︎꙳⋆

六波羅蜜寺で平家繁栄の痕跡を探る

 

テレビCMの影響や仏像巡りブームの影響もあり、六波羅蜜寺といえば、すぐに空也上人立像が思い付く方も多いであろう昨今。

 

しかしながら、もちろん、この六波羅蜜寺において有名なのは空也上人立像だけではありません。

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六波羅蜜寺のあるこの六波羅という地は、かつて鎌倉幕府を開いた源頼朝六波羅探題を置いた場所です。

 

平家と源氏の興亡の地、六波羅

六波羅探題は平家を滅ぼした源氏が、西国の御家人の監視と朝廷の監視をするために置いた機関です。

そのため、六波羅探題と言えば源氏を思い浮かべる方が多いかもしれません。

とはいえ六波羅探題は、元々平清盛の邸宅があった場所を拠点にしたため、源氏が平家を攻めるまで、この辺りは平家の土地だったわけです。

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ですからこの地は源氏ゆかりの地でありながら、平家ゆかりの地でもあるという場所です。

 

境内には平氏ゆかりの供養塔がある

本堂のお隣に並ぶ供養塔。

左側が平清盛のものです。

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そしてその右隣にあるのが阿古屋塚です。

こちらはその名のとおり、阿古屋という人の菩提を弔うために建てられたものです。

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阿古屋という人は、能や歌舞伎にも登場する遊女で、平家の武士を救ったと言われています。

八坂神社から清水寺へ向かう途中の二年坂には、阿古屋茶屋というお茶漬けバイキングのお店がありますが、同じ阿古屋でしょうか。

それにしてもお隣の平清盛の供養塚よりも、阿古屋さんの供養塚の方がどっしりとして大きい点には驚いてしまいました。

阿古屋塚の手前には五代目坂東玉三郎さんが奉納された由緒碑がありますので、阿古屋という人について気になる方は、是非現地でこの由緒碑をご覧になってみてください。

 

さいごに

空也上人立像で有名な六波羅蜜寺の御本尊は、十一面観音立像(国宝)です。

平安時代に作られた大変貴重な秘仏であるため、普段は本堂にある厨子の中に安置されているそうです。

その御本尊様は12年に一度辰年の年に一般公開されるのですが、なんと今年はその貴重な公開年にあたるということで、秋には特別公開が予定されています。

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公式ホームページによると、11月3日(日)~12月5日(木)の約一か月間の公開だそうです。

これを見逃すとまた12年後までお目に掛かることができませんので、私もどこかで出掛けたいと思っています。