立華の京都探訪帖

1200年の都を歴史・文化的視点から楽しむ旅記録 ᝰ✍︎꙳⋆

読書感想文

今は無き巨椋池の存在の大きさを教えてくれる本

最近、南山城に関する面白い本に出会ったので、今日はそちらをご紹介したいと思います。 B級京都論 南山城から視た異国京都[本/雑誌] / 東義久/著価格:1,650円(税込、送料別) (2024/3/24時点) 著者の方は南山城ご出身の方です。 南山城を紹介する本はいく…

王朝貴族文化の奥深さを教えてくれる本に出会いました

ここ最近は『源氏物語』をより深く理解するために、いくつか本を読んでいました。 今日はそのうちの一冊をご紹介します。 源氏物語を楽しむための王朝貴族入門(578) (歴史文化ライブラリー) [ 繁田 信一 ]価格:1,870円(税込、送料無料) (2024/3/24時点…

藤原定家はどんな人?明月記から読み解く人物像

藤原定家といえば何を思い浮かべるでしょうか? 『小倉百人一首』を思い浮かべる方が多いでしょうか? 彼が書いた日記『明月記』を思いつく方も多いかもしれません。 平安時代末期に生まれた公家であり、『千載和歌集』の撰者でもある藤原俊成を父に持つ歌人…

『源氏物語』と平安文化を一緒に学べる『源氏物語解剖図鑑』

今回も読書感想についての投稿です。 さて年が変わり、2024年になりました。 今年の大河ドラマは「光る君へ」。 『源氏物語』の作者である紫式部がテーマということで、これを機会に2024年は平安時代と『源氏物語』について学ぼうと思っています。 …

日本文化は有職故実に学べ

今回は久しぶりに読書感想文の回です。 「勘違い」だらけの日本文化史 [ 八條忠基 ]価格: 1760 円楽天で詳細を見る 今回ご紹介するこちらの本は、有職故実について研究されている八條忠基さんの本です。 こういった本には普段から関心がある方なのですが、や…

『信長公記』にみる織田信長の鷹狩とその意味

さて今回も『信長公記』を読んでの、気になった箇所&感想をお届けします。 今回は鷹狩についてです。 鷹狩の歴史 信長公は、京都のどこで鷹狩をしていた? 鷹狩で捕獲した獲物はどうする? 鷹狩は単なる娯楽ではない?一つの政治手法だった鷹狩 さいごに 戦…

魔王ではなかった?自分の織田信長像が変わった本

織田信長という歴史上の人物について、皆さんはどのようなイメージをお持ちでしょうか? いわゆる世間一般的な、残虐・短気で怒りっぽい・戦には強いけれどその分横暴だったなど、どちらかと言うとあまり良くない印象をお持ちの方が多いかと思います。 しか…

妙心寺塔頭・退蔵院蔵『瓢鮎図』の謎を探ってみた②

前回の続きです。 さていよいよ本文です。 『瓢鮎図』を味わうには、上部に書かれた漢詩を見落とすなかれ まず『瓢鮎図』が描かれた経緯を知ろう 知識が凄い!禅僧たちによる漢詩は単なる『瓢鮎図』の感想ではない 山水画は「胸中の山水」 さいごに 『瓢鮎図…

妙心寺塔頭・退蔵院蔵「瓢鮎図」の謎を探ってみた①

今日は、京都関係で最近読んだ本をご紹介します。 「瓢鮎図」の謎―国宝再読ひょうたんなまずをめぐって (ウェッジ選書) 作者:芳澤 勝弘 ウェッジ Amazon 『瓢鮎図』(ひょうねんず)という絵画を御存知でしょうか? 国宝の水墨画です。 京都の方にとっては誰…

信長公記にみる上洛中の織田信長が京都でしていたこと

本日もまた『信長公記』より織田信長と京都に関する投稿をお届けします。 昨日の投稿で、信長公は京都には邸宅を持っていなかったことをお話しました。 (厳密に言うと少しの間持っていたには持っていたのですが、後に手放しているという意味では) というわ…

信長公記にみる上洛時の織田信長が滞在した場所

織田信長、京都。 この単語が並んだ時、多くの人はそれに続く言葉に「本能寺」を当てはめると思います。 恐らく多くの人にとっては、織田信長が京都で宿にしていたのは本能寺という認識が一般的なのではないでしょうか? 残念ながら、それは間違いです。 と…