立華の京都探訪帖

1200年の都を歴史・文化的視点から楽しむ旅記録 ᝰ✍︎꙳⋆

祝・4年ぶりの陶器まつり開催!清水焼発祥の地、五条坂にある若宮八幡宮

 

日本各地には焼物の名産地がありますが、京都の焼物は京焼と呼ばれています。

清水焼が有名ですよね。

焼物のことはよく知らないという方でも、清水焼という名称だけは御存知の方も多いのではないでしょうか?

五条坂はこの清水焼発祥の地だといわれているのですが、その五条坂の中ほどには若宮八幡宮という神社があります。

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別名を陶器神社といいます。

安産と厄除けにご利益があるとされている神社です。

清水焼ゆかりのこの地では、先日8/7~8/10にかけて陶器まつりが開催されました。

コロナ禍の影響があり、今年は4年ぶりの開催となったようです。

8日には若宮八幡宮の大祭も行われました。

この大祭では、周囲に陶器を飾った非常に珍しい神輿が見られるそうですが、残念ながら今年はその神輿巡行は行われなかったそう。

私もいつかお目に掛かりたいです。

 

この陶器まつりに参加して来たわけではないのですが、先月の京都旅でたまたま若宮八幡宮を訪れていたので、今日はその際のことをまとめたいと思います。

元は西本願寺の近くにあった神社

創建は天喜元年(1053年)、後冷泉天皇によるものですが、当時は西本願寺の北東あたりにあったため、六条八幡などと呼ばれていました。

応仁の乱の影響を受け荒廃、現在地にはそのあとに移ってきたようです。

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貴重な神社建築!本殿は前室付きの流造

全国の神社建築の中で最も一般的なものは、流造と呼ばれる形式です。

若宮八幡宮の本殿もこの流造です。

ただし若宮八幡宮の神社建築は、単なる流造ではなく、前室付きであるところが京都においては珍しいとのこと。

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正面から見てもよくわからないので、横に回って見てみることにしました。

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残念ながら塀が影になってしまい、イマイチよくわかりません。

二つの建物の間にあると思われるのが前室でしょう。

向拝はここからお目に掛かることが出来ましたが、前室を直に見ることが出来なかったのが悔やまれます。

公式ホームページにはわかりやすい写真が掲載されていますので、気になる方は是非そちらをご覧ください。

神社建築も各神社で比較してみると、その違いが面白いのでおすすめです。

 

若宮八幡宮は足利将軍ゆかりの地

若宮八幡宮武家からよく信仰されていた神社なのだそうです。

特に源氏や足利家からの信仰が厚かったそうで、境内には足利将軍ゆかりのポイントがいくつかあります。

その一つがこちらです。

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本殿の左手には蓬莱石と呼ばれている石がありました。

この蓬莱石は、足利将軍初代:尊氏の病を治したとされる神石だとして、こちらに祀られています。

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この神石以外にも、境内には足利将軍第3代:義満が奉納したとされる手水鉢があるようです。

私は今回そちらは見逃してしまったのですが、いつかまたご縁があればと思っています。

足利将軍ゆかりとなると、今年は足利将軍滅亡後450年であることが話題になっていますので、若宮八幡宮京都検定に出題される可能性があるかも?

チェックしておいて損はなさそうです。

 

女性にも人気なハート型の石も

境内を見渡すと、なんとも不思議な形の石がありました。

なんとこれ、ハートの形をしているんだそうです。

よく見ると大きな石の下にある小さな石もハート型。

今気が付きました。すごいですね。

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この石は縁結びの石と呼ばれ、女性には密かに人気のスポットになっているそうです。

近くには清水寺六波羅蜜寺などがあるエリアにも関わらず、若宮八幡宮の境内は落ち着いています。

参拝もゆっくりできる神社なので、京都で縁結びスポットを巡ろうと思っている方には穴場の場所かもしれませんね。

 

さいごに

若宮八幡宮のみならず京都の各所では、年に数回、陶器市(まつり)が行われています。

場所は宇治市山科区など、どちらも京焼・清水焼の主な生産地です。

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また陶器市をうたっておらずとも、各神社やお寺でのお祭りで、掘り出し物の陶器に出会うこともできますね。

私は京都旅行の際にはいつも荷物が多いので、なかなか割れ物などの重いものを買うことが出来ず、いまだにこの陶器市というものに参加できたことがありません。

しかし年齢を重ねてきたせいか最近は、味のある陶器を日常的に使ってみたいと思うようになりました。

来年、もしくは再来年あたりには、この若宮八幡宮の陶器まつりにも参加してみたいと思っています。