立華の京都探訪帖

1200年の都を歴史・文化的視点から楽しむ旅記録 ᝰ✍︎꙳⋆

『「京都画報」秋の京都で名庭めぐり』感想(11月放送分)

 

「京都画報」は、KBS京都テレビやTOKYO MXBS11で放送されている京都に関する情報番組です。


京都検定も間近ということで、一年間撮り溜めた京都関係の番組を必死に消化している日々ですが、今回の「京都画報」では次の京都検定にも出題されそうな今年話題の場所が取り上げられていたので、ご紹介したいと思います。

 

 

東本願寺飛地境内地「渉成園

別名:枳殻邸です。

枳殻邸の名前は、カラタチという植物が植えられていたことに由来します。

かつてはその枳殻の生垣が周囲に植えられていたのだそうです。

観光客の私にとってこの地は渉成園ですが、調べたところ、地元の方にとってはキコクテイの呼び名の方が馴染みがあるようです。

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東本願寺の向かいに位置しています。

そしてまたこの渉成園は徳川家にゆかりがあり、そしてまた源氏物語にもゆかりがあるといえる場所です。

 

そもそもこの地は、平安時代前期の左大臣源融の六条河原院があった場所だと言われています。

源融は、源氏物語に登場する光源氏のモデルの一人と言われています。

彼はその河原院を造る際に奥州塩川の風景を取り入れたと言われており、邸内には「塩釜の手水鉢」や「塩釜の井筒」、源融の供養塔も残っています。

 

渉成園徳川幕府3代将軍家光公が東本願寺代13代宗主:宣如に与えた地です。

そして詩仙堂で有名な石川丈山らとともに作庭を行い、出来上がったのが現在の池泉回遊式庭園です。

「京都画報」の番組内では、庭園の中央にある傍花閣と合わせて、園林堂(持仏堂)も紹介されていました。

この園林堂には棟方志功の襖絵があります。

来年の京の冬の旅ではこの園林堂の内部が公開されるようなので、今からとても楽しみにしています。

 

並河靖之七宝記念館

明治から大正にかけて活躍した七宝家:並河靖之の旧邸跡にある記念館です。

並河は1845年の京都生まれ。

川越藩士の父の元に生まれ、宮家の近侍をするなどしていたようです。

宮家に仕えたことで、芸術への関心が高まったのでしょうか。

国内外の多くの展覧会で受賞をし、帝室技芸員の一人としても活躍しました。

 

こちらの記念館は今年の4月28日にリニューアルオープンしたばかり。

彼の作品や七宝製作の際に使った道具などが展示されているそうです。

2023年は開館からちょうど20周年の節目の年でもあり、主屋は築130年だとのこと。

庭園は七代目小川治兵衛が手掛けたことで有名です。

公式サイトによると、リニューアル前の主屋二階は通常非公開だったようですが、リニューアル後は決められた特別公開日に事前予約をすれば、見学出来るようですね。

外観はまさに京町家なので、中に入る前からいろいろと学びがありそうです。

 

京都 白河院

白河院平安神宮京都市動物園の近くにあります。

この地は平安時代の摂政:藤原良房の別荘があった場所で、のちに白河天皇に献上され、京都検定でも基礎問題として出題されるあの法勝寺が建立されることになりました。

のち1919年には大丸創業者:下村家の下村忠兵衛の手に渡り、現在に至ります。

現在の庭園が完成したのは大正時代だそうで、小川治兵衛が作庭を担当しました。

現在の白河院は和風旅館として営業しており、武田五一が設計した数寄屋造の建物では、宿泊や食事を楽しむことができるようです。

 

白沙村荘・橋本関雪記念館

今年は橋本関雪生誕140年の年です。

というわけで橋本関雪関係から一問(もしくは京都市立芸術大学移転の関係もあるので京都画壇から)は出題があるのではないかと予想しています。

関雪は大正時代に京都画壇として活躍した人で、白沙村荘は彼が自分のアトリエとして建てた場所です。

敷地は一万平方キロメートル。

敷地の中央にあって関雪の画室でもあったという存古楼を始めたし、住居や庭園、茶室、持仏堂などが存在しています。

設計は関雪自らがおこなったといいます。

併設の美術館では彼の作品や、彼が収集した作品などを拝見することができます。

 

さいごに

いつもは割とさらっと観ている番組なのですが、今回は次の京都検定に向けても役立つ知識が多かったと思います。

気になる方は是非次回の放送をお待ちください。