立華の京都探訪帖

1200年の都を歴史・文化的視点から楽しむ旅記録 ᝰ✍︎꙳⋆

議論の場として時代を支えたサロン:フランソア喫茶室

 

2021秋の京都市京セラ美術館「モダン建築の京都」展との連動企画の会場にもなったのが、フランソア喫茶室。

 

普段から喫茶店として営業されているため、特別な公開は無いのですが、イベントとのコラボメニューが登場しました。

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設計は立野正一。

京都市立美術工芸高校を卒業後、社会主義活動に力を注ぎました。

フランソア喫茶室はそんな彼が作り上げた交流の場であり、労働運動の活動家だけでなく、芸術関係者や学生、教員などにも人気の場所だったようです。

 

店内の様子をちらっとご紹介

フランソア喫茶室は元は町家だった建物を改修したもので、当初は南棟を喫茶店として使用していました。

のちに現在の北棟を改修しそちらを店舗に。

更に南棟も改修し、現在の姿になっています。

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白い壁や円形、アーチなどの圧倒的な洋風様式の中に見られる天井の縁取り。

まるで和室の折上格天井を思わせ、和洋折衷された場所にいるかのような不思議な感覚を覚えます。

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写真の左奥などにあるステンドグラスは画家:高木四郎のデザインだそうです。

側には2席あるのですがどう見ても私にはあの場所は特等席に見えます。

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開館して間もなくの時間だったのですが先客が何組も。

さすがの人気ですね。

1日限定20食で発売された、京都市京セラ美術館『モダン建築の京都』展とのコラボ企画プリン(750円)をいただきました。
昔ながらの硬めなプリンにほろ苦いカラメルが上品でした。

こちらのプリンは過去にお店で出されていたメニューだそうなのですが、このイベント時から復刻されたようで今でも店舗でいただくことが出来ます。

気になる方は是非どうぞ。

さいごに

モダンでお洒落、素敵過ぎる店内に落ち着かないかと思いましたが、いざ席に着いてみれば途端に時間の流れが緩やかになったかのようなゆったりとした気分に。

あまりの居心地の良さにメニュー数が多いことも相まって、何度通っても通い足りなくなりそうです。