源氏物語ゆかりの地としても人気の高い宇治エリア。
流行りのカフェなどもある中で、宇治橋の東詰には平安時代の創業からその趣を守り続けている茶屋があります。
それが茶屋・通圓です。
通圓とは?
創業は1160年(永暦元年)の平安末期。
古川右内という武士が隠居後に庵を建てたことが、その始まりだといわれています。
藤原頼通が父・道長の別荘を平等院という寺に改めたのが1052年ですから、それから約100年後にはもうあの辺りに通圓があったことになります。
凄いですよね。
現在の御当主は24代目だそうです。
ちなみに古川右内は源頼政の部下でもありました。
1180年、以仁王は平家打倒のために頼政と挙兵し、宇治川や平等院でも戦いが起こります。
通圓が出来てからおよそ20年後のことです。
源頼政に味方するため古川右内もその戦いに参戦したそうですが、つまり通圓は数々の歴史をあの地で見て来たわけですね。
本当に貴重な存在だと思います。
現在の建物には、江戸時代の町家の遺構が残っているそうです。
「甘味 苦味 渋味 是 人生」と書かれた絵が飾られていました。
味わい深いですね。
見晴らしの良い窓際席では宇治川の景色を堪能できる
訪れた日はあまり天気が良くなかったのですが、それでも注文したお品を待つ間、宇治川の流れを眺めて楽しみました。
お品書きもいろいろとあり、今回は茶団子のセットにしました。
茶団子は小振りで食べやすいので、つい食べ過ぎてしまいそうなおいしさです。
宇治では様々な場所で茶団子が発売されていますが、通圓さんでも茶屋に隣接する店舗の方で購入出来たと思うので、気になる方は是非お立ち寄りください。
さいごに
戦があるということは当然焼き討ちなどもあるわけで、京都でも数々の歴史的建造物が破壊されてきたことは周知の事実だと思います。
だからこそ戦乱の世を生き抜き、今もなおその存在感を放つ通圓の凄さは、もっと話題になっても良いのではないかと思っています。
お洒落で流行りのカフェも好きなのですが、やはり日本史ファンとしては、歴史あるお店にこそ足を運ぶ価値を感じずにはいられないですね。