人気の観光地、京都:宇治。
宇治と言えば、まず平等院でしょうか。
JR宇治駅からも、京阪の宇治駅からも多くの人が平等院へと向かっていきますよね。
そして宇治茶も人気です。
駅の近くや平等院の参道エリアには、抹茶を使った蕎麦やスイーツなど、今時のカフェから歴史ある老舗までいろいろなメニューを楽しむことができます。
宇治に訪れた人のほとんどが、現地で宇治川を目にすると思います。
思いの外、流れの早い宇治川。
そんな宇治川に架かっているのがご存知の方も多い、宇治橋です。
宇治川沿には、この宇治橋を管理していたお寺があることをご存知でしょうか?
お寺の名前は放生院
開創は太秦の広隆寺を建立したことでも有名な、秦河勝(はたのかわかつ)という人だそうです。
御存知の方も多いかと思いますが、太秦とは京都市にある地名で、映画村などがあるエリアのこと。
放生院の現在の本堂は、江戸時代に起こった火災のあとに再建されたものです。
宇治川に宇治橋がかけられたのは646年だそうですが、そのあとこの放生院は橋を管理する寺になり、宇治橋と深く関りをもつようになります。
それゆえ放生院には二つ名があり、通称:橋寺とも呼ばれています。
放生院で最も有名なのは「宇治橋断碑」
この通称:橋寺で一番有名なのは、「宇治橋断碑」というものです。
その名の通り石碑なのですが、その内容は、宇治川に初めて橋が架かったことを記念したものになっています。
日本には日本三古碑というものがあり、その一つに橋寺の宇治橋断碑が数えられることもあるそうです。
この宇治橋断碑は、京都検定でも出題頻出項目なので、京都について学びたいと思っている方は覚えておくといいでしょう。
場所も宇治川沿いで行きやすいので、宇治観光の際には是非一度足を運んでみるのもいいかもしれません。
普段は上の写真のように周りが囲われているので間近でそれを拝見することは出来ないのですが、見学可能期間内に寺務所にお声掛けをすれば、中を見せてもらえるというようなことが近くの札に書いてありました。(上の写真参照)
私は今回は現物を拝見することなく帰ってしまったのですが、いつかご縁があれば、この目でそれがどんなものか見てみたいと思っています。
さいごに
多くの観光客にとって、宇治観光といえば平等院だけは外せないかもしれません。
宇治に来たら平等院の鳳凰堂を何としてもこの目で見たい、と思うのは当然のことでしょう。
ですが平等院を訪れるなら、是非ともすぐそばにある宇治川沿いの散歩もしてみてほしいです。
なぜなら宇治という場所の歴史や文化が、川沿いのいろいろな場所に散りばめられているからです。
宇治川には、宇治橋のみならず、橘橋や朝霧橋などの小さい橋も掛けられています。
それらの橋を渡ると宇治川に浮かぶ中島に足を踏み入れることができ、そこには昔の戦乱の痕跡を見つけることもできます。
高さが15メートルもある十三重の石塔(供養塔)を見上げることもできます。
宇治川沿いのみならず、三室戸寺までの道のりには、源氏物語最終章の宇治十帖ゆかりのスポットもあります。
つまり見どころがありすぎて、宇治川周辺だけでも、とても一日では巡りきれません。
見るべきものは宇治川周辺だけに集まっているわけでもないので、全てを楽しむとすると一体何日必要なのだろうか…と思ってしまうほどです。
宇治川沿いの宿に何泊かして、みっちり宇治観光してみるのもいいかもしれませんね。