立華の京都探訪帖

1200年の都を歴史・文化的視点から楽しむ旅記録 ᝰ✍︎꙳⋆

京都文化博物館の足利将軍展で戦国時代を学ぶ

 

先日まで、特別展「織田有楽斎展」が開催されていた京都文化博物館

6月からの総合展のテーマは、毎年恒例の祇園祭

それに加えて今年は足利将軍についての展示が行われているため、祇園祭と足利将軍(室町幕府)のコラボ展ともいえる総合展示になっていました。

 

個人的に本当に面白かったなと感じているので、是非皆さまも足を運んでみてください。

というわけで感想をざっと書き残したいと思います。

 

今年は室町幕府滅亡後450年!

2023年はその節目ゆえ、今回の総合展示では足利将軍が取り上げられることになったようです。

これはもしかすると1問程度、京都検定の問題にも出される可能性があるのではないかと思い、その勉強も兼ねて見に行ってきました。

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室町幕府滅亡後450年ということは、室町幕府を滅ぼしたといわれる織田信長が、その代わりの立場に君臨してから450年というわけです(厳密に言うと少し違うかとは思いますが大意としては)。

この節目の事実を知らないまま、最近の自分は自発的に信長公について学び始めていたのですが、なんという偶然かと少し驚いてしまいました。

 

足利将軍たちが祇園祭を楽しんでいたことを知りました

まずは今年の祇園祭コーナーについての感想です。

このコーナーが足利将軍とのコラボ展示になっていました。

室町幕府鎌倉幕府江戸幕府とは違い、唯一京都で開かれた幕府であることは、皆さまご存知の通りです。

それゆえ将軍たちは京都に拠点を置いていたわけで、そう考えるとそんな彼らが代々祇園祭を目にしていたのは当たり前のことだと言えるでしょう。

しかしながら私のような京都初心者、日本史専攻外の人間としては、そんな当たり前のことを考えたこともありませんでしたし、そういう観点を持ったこともありませんでした。

今回その事実を初めて知ったため、展示から新たに学ぶことが多く、非常に楽しく今回の展示を拝見することが出来ました。

 

山鉾巡行が大好きだった将軍たち

山鉾巡行が好き過ぎるあまり、何人かの足利将軍たちは、自分のために山鉾の巡行ルートを変更させていたそうです。

これぞまさに権力の横暴。

我儘としか言いようが無いですが、当時はそれが許されていたという事実にも驚いてしまいました。

そういった資料や解説がいくつか展示されていますので、是非現地でご覧になってください。

 

わかりやすい展示パネルに感動!歴代の足利将軍をまとめて勉強!

祇園祭(×足利将軍)に関する展示コーナーを過ぎると、次は足利将軍(単体)の展示が始まります。

その展示の前に、歴代の足利将軍15名の経歴が簡潔にパネルにまとめられていました。

15人もいる将軍の内、著名な数人の知識しかなかった私にとっては、展示品を拝見する前に足利将軍に関する前知識を得られるという、非常にありがたい展示パネルでした。

やはり皆考えることは同じなのか、しばらく立ち止まって読みふけっている方が何名もいらっしゃいました。

おかげでそのあとの展示が何倍も楽しめたと思います。

作っていただいた方に感謝。

ありがとうございます。

 

足利将軍展で戦国時代を学ぶ

足利将軍と言われて、皆さまが思い浮かべるのは誰のことでしょうか。

初代の足利尊氏でしょうか。

もしくは金閣で有名な第3代将軍:足利義満でしょうか。

銀閣で有名な第8代将軍:足利義政もあり得ますね。

織田信長の時代まで進むと、室町幕府最後の将軍である第15代:足利義昭もいます。

私は先日退蔵院の『瓢鮎図』について学んだこともあり、第4代将軍:足利義持を思い浮かべそうです。

瓢鮎図』と足利義持についての投稿は↓

 

日本の国宝に『東寺百合文書』というものがあります。

京都検定1級2級受験者にとっては、絶対に覚えておきたい資料名でしょう。

東寺創建前の奈良時代末期ごろから江戸時代中期ごろまでの史料が含まれ、長い間、東寺に保管されてきた文書約2万点の総称です。

そんなどう考えても歴史的価値のあり過ぎる『東寺百合文書』ですから、もちろん室町時代の足利将軍に関する史料も含まれているわけで、重要な記述のある部分がたくさん展示されていました。

第15代将軍:義昭関連で織田信長の朱印状の展示もあり、更にそれに関連して三好勢の書状もあったりと、内容の濃い展示になっています。

最近信長公について学んでいたせいで、展示会各所で信長公の朱印状や書状も見かけると、ついじっくりと眺めてしまうのですが、今回も例に漏れず堪能させていただきました。

 

さいごに

京都検定を受験していると、第何代足利将軍が~という問題文が出て来ることがあります。

戦国時代が好きな方や詳しい方は、第何代足利将軍と言われれば誰のことかすぐわかるかもしれませんが、私のような日本史専門外者には誰のことだかさっぱりわかりません。

というわけでこのあたりの知識がめっぽう弱い私にとっては、今回のこの展示のおかげで非常に楽しく、戦国時代や足利将軍についての知識を増やすことが出来ました。

京都検定を制するためには、歴史の一連の流れを覚えることが必要不可欠です。

今回の総合展示はそれを手助けしてくれるものでもあり、冬の京都検定本番に向けて勉強していく上で、足利将軍に興味を持たせてくれる良い機会の一つにもなっているのではないかと感じられました。

 

<総合展示>2階総合展示室

『~室町幕府滅亡後450年~ 足利将軍、戦国を駆ける!』

(2023/06/10~2023/08/06)

『~室町幕府滅亡後450年~ 祇園祭ー足利将軍が見た山鉾巡行ー』

(2023/06/17~2023/08/13)