現在、京都文化博物館では総合展示「異界へのまなざし」が開催中です。
総合展示なので展示物の数はそこまで多くはなく、比較的さらっと鑑賞できます。
3階のフロア1階分ですが、それでも興味深いものがたくさんありました。
「あやかしと魔よけの世界」を楽しむ展示
京都におけるあやかしや魔除けの話になると、まず最初に安倍晴明の存在を思い浮かべる方が多いかもしれません。
というわけで安倍晴明の子孫である土御門家に関する資料の展示もありましたが、藁人形が展示されていたことにはとても驚きました。
参考資料ではあるとは思いますが、実際そういったものを目にすると息をのんでしまうというか、ぞわりとする感覚はありますね。
東寺の国宝:東寺百合文書も多く展示されていたのですが、そのこと自体にも驚きました。
何故なら私は東寺百合文書はに、占いだとか魔除けに関するようなことは書かれていないと勝手に思い込んでいたからです。
逆に考えると、東寺百合文書にも占いや魔除けに関する記述があるというのは、それだけ昔の人々の暮らしにおいてそれらの存在が一般的であったとも言えるわけで、その事にも驚かされました。
展示資料の中には、明治時代のもので『上達書「妖怪の節 図職呪詛等の行為を禁ず」』というものがありました。
何でもかんでも呪詛の類いのせいにして、怪しい商売をするのを禁ずるためのものなのですが、近代においてもまだ呪詛というものが身近な存在であったことには驚きです。
藤貞幹を知っていますか?
2階の総合展示室にも非常に興味深い展示がされていました。
藤貞幹という人物に関するものです。
藤貞幹という人は300年程前の人で、近世考古学の第一人者とも言われている人だそうです。
それだけ聞いてもあまり興味が湧いて来ないという方が多いと思います。
ですが彼は、京都検定でも基礎知識である『大内裏図考証』(裏松固禅)の作成にも関わっており、その執筆に多大な影響を与えたと言われているほど凄い研究者です。
『大内裏図考証』の名前を聞いたら少し関心が湧いて来たという方は、是非京都文化博物館の2階総合展示室にお出掛けください。
興味深い資料がたくさん展示されていますよ。
さいごに
帰り際にロビーでこのチラシが貼られているのを見付けました。
来年の4月から6月にかけて行われる「松尾大社展」の宣伝チラシです。
特別展へ出掛けるより先に松尾大社に足を運んで、いろいろと予習しておきたいところですね。
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