立華の京都探訪帖

1200年の都を歴史・文化的視点から楽しむ旅記録 ᝰ✍︎꙳⋆

京都三大〇〇巡り(珍鳥居編)

 

今日は京都三大○○についての投稿です。

 

京都検定の試験でも何度も出題され、基本的な知識として覚えなければならない京都三大珍鳥居。

珍鳥居とはその名の通り珍しい特徴を持つ鳥居のことですが、京都市内には3つあります。

 

去年ようやく現地に足を運ぶことが出来たので、その際の写真も併せてご紹介したいと思います。

 

 

1・北野天満宮の伴氏社

まずは観光名所としても知られる北野天満宮の伴氏社です。

タクシーが多数停車している一の鳥居をくぐり、本殿に向かって参道を歩いていくと左に見えてくるのが、北野天満宮境内末社の伴氏社(ともうじしゃ)の鳥居です。

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祭神は社名のとおり伴氏です。

この伴氏とは北野天満宮に祀られている菅原道真の母のこと。

鳥居は鎌倉時代に建てられたものだそうですが、一体この鳥居の何が珍しいのでしょうか。

下の写真をご覧ください。

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柱の一番下の部分が蓮の花のように見えませんか?

伴氏社の鳥居が珍鳥居と言われる所以は、台石に蓮弁が掘られているからなんです。

 

2・京都御苑厳島神社

続いては京都御所がある場所としても有名な京都市民の憩いの場所、京都御苑です。

京都御苑の南は丸太町通に接しており、最寄りの門は堺町御門ですが、間之町口から入苑しても近い場所にあるのが厳島神社です。

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祭神には市杵島姫命などがおりますが、特に有名なのは平清盛の母とされる祇園女御でしょうか?

元は兵庫県に創建された神社ですが、のちに京都へ移され、この場所にあった九条家の邸内に祀られたそうです。

ではこの神社の鳥居は何が珍しいのでしょうか?

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厳島神社の鳥居が珍しいといわれるのは、石造の鳥居に唐破風がついているところです。

唐破風というのは日本の伝統的な建築様式で、門や玄関の屋根などに用いられるものですが、真ん中が凸で丸みを帯びており、両端はゆるく凹んでいます。

一般的な鳥居は直線の木が上下で二本配置されているところを、この厳島神社の鳥居は上の部分が唐破風になっている点が珍しいといわれています。

九条池の中島にあり、境内は狭いので池に落ちないように十分にお気を付けください。

 

3・蚕ノ社の三柱鳥居

最後の珍鳥居は、個人的には一番変わった形をしているように感じている鳥居です。

場所は太秦です。

市バスでも近くまで行くことが出来ますが、おすすめなのは比較的いつも空いている地下鉄東西線太秦天神川駅から徒歩で現地へ足を運ぶ方法です。

例の珍鳥居とは別のものですが、境内の入口では巨大な鳥居が出迎えてくれます。

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蚕ノ社の名で親しまれていますが、正式名は木島坐天照御魂神社。

建てられた時期は不明ですが、この神社がある太秦にゆかりのある秦氏に縁ある神社です。

蚕の社の名の由来は、境内に摂社:蚕養神社があるからだそうです。

珍鳥居は元糺の池にありますが、時期のせいかほとんど干上がっているように見えました。

ではこの蚕の社の珍鳥居をご紹介しましょう。

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少し見づらいかもしれないのですが、わかりますでしょうか?

この鳥居には柱が三本しかありません。

その姿から三柱鳥居(三鳥居)と呼ばれています。

中心には石が積み上げられ御幣が立てられており、遠くから見ても神々しさが感じられます。

訪れた日は少し曇っていて緑も茂っていたので、何となく不気味さがあり、立ち入ってはいけないような、あまり長く眺めているのも憚られるような、そんな神聖な空気が満ちていました。

 

さいごに

北野天満宮の伴氏社と京都御苑厳島神社には、比較的どなたでも行きやすいかと思います。

たまの京都観光の際でも、北野天満宮京都御苑には足を運ぶと言う方も多いのではないでしょうか?

個人的には夏の蚕ノ社の鬱蒼とした神々しい雰囲気が好きなのでそちらをお勧めしたいのですが、虫刺されには十分にご注意くださいね。