立華の京都探訪帖

1200年の都を歴史・文化的視点から楽しむ旅記録 ᝰ✍︎꙳⋆

6月5日は池田屋事件が起こった日

 

元治元年6月5日(1864年7月8日)は何の日でしょうか?

新選組ファンにとって、この6月5日という日は特別な日です。

そう、あの池田屋事件が起こった日だからです。

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この池田屋事件によって、新選組の存在やその活躍が京の町に知れ渡ることになりました。

(ただ活躍したからといって、壬生狼と揶揄されていた彼らが、京都の人びとに好意的にみられるようになったかどうかはまた別の話)

 

池田屋事件の発端といえばこの人

さて池田屋事件の発端は、とある人の自白にあります。

池田屋事件の数日前、京の町の治安維持部隊であった新選組に捕縛された人がいました。

その名は枡屋喜右衛門、別名:古高俊太郎です。

古高氏の職業は薪炭を扱う商人でした。

ただしそれは表向きの顔で、実は裏では長州藩と繋がっている武器商人だということが判明します。

その事実を突き止めた新選組により、不審な動きがあった古高氏は捕縛されることになりました。

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(現在、古高氏の店舗兼住居跡にはお食事処が建っています)

古高氏は新選組に捕縛されてしまったものの、不審な動きの理由をなかなか明かしません。

そんな状況を打破すべく、彼を拷問したといわれているのがあの土方歳三でした。

そしてその拷問を行った場所といわれているのが、今年の京の夏の旅で特別公開される旧前川邸の東の蔵です。

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(東の蔵は建物の外、この奥にあります)

昨年の春に某ツアーで内部を見学した際には、二階の天井に縄が吊られていました。

もちろん拷問で使われたとされるものではありませんが、創作物にある描写をリアルに思い浮かべることが出来てしまい、少しゾッとしました。

このゾッとする感覚は、新選組ファンにはたまらない感覚かもしれません。

稀に企画されるツアーなどを除き、普段は非公開の施設のため、今回の特別公開はかなり貴重な機会です。

逃さないようにしたいですね。

 

池田屋事件の日、出動前に隊士達が集まったのは八坂神社の西門前!

新選組ファンの間では有名な話ですが、池田屋事件の前、隊士たちは八坂神社の西門前あたりに集合しました。

厳密にいうと今の祇園町会所のあたりに集まり、そこから尊攘派の捜索に繰り出して行ったと考えられています。

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祇園祭の最中だった池田屋事件の当日も、このあたりは随分と賑わっていたでしょうね。

 

さいごに

ちょうど今日から今年の京の夏の旅がスタートし、旧前川邸・東の蔵の公開も始まっています。

ちなみに今日までこの旧前川邸・東の蔵が残っているのは、現在のこの建物の所有者である田野様(新選組にゆかりのある方でもファンでも何でもない方)が、歴史的価値のある旧前川邸は保存されるべきだと考え、巨額な自費を投じて維持を続けて来てくださったおかげです。

そう、この旧前川邸は自費で維持されている歴史的建造物なんです。

つまり田野様が所有者になっていなければ、旧前川邸は今日までその姿を留めていなかった可能性すらあります。

この事実を知った時には、私も本当に驚きました。

どんな方がどんな想いで現在の旧前川邸を維持・管理してくださっているのか。

これから旧前川邸の特別公開に行こうと楽しみにしている新選組ファンならば、是非知っておきたいところですね。

 

昨年行われた東の蔵の屋根の修繕のためのクラウドファンディング(もっと頻繁にやって欲しい)には、微力ながら私も参加させていただきましたが、その維持のために日々田野様が尽力されていることを思うと、新選組ファンの一人としては本当に有り難く、涙が出る想いです。

私もその有り難さを噛み締めながら、そして感謝しつつ、京の夏の旅を楽しみにまた京都に足を運びたいと思います。