先日、お里帰りした国宝『黄不動明王像』を観に曼殊院を訪れました。
黄不動さまにお目に掛かることを第一目的として現地へ足を運んだのですが、拝観受付に辿り着くよりも前に、周辺の青もみじが美しいことに気が付きました。
あまりにも美しかったので、今日はそのことについて書きたいと思います。
これからの季節にまだまだ楽しめるパワースポット
よく新緑が美しい季節という表現を聞きますが、新緑というのは4月から5月にかけての若葉のことを指すようです。
つまりその時期を過ぎてしまうと最早新緑の季節ではないわけで、緑が濃くなった6月のことは、深緑の季節と言い表します。
6月の季節の挨拶でも使われる「深緑の候」と同じ意味ですね。
新緑・深緑と読みが同じ「しんりょく」ではありますが、その意味するところは異なるわけです。
上の写真のこの先、右手に拝観受付があります。
緑が深く、参道周辺に自分以外の拝観客がいないことも相まって、酸素が濃いような気さえしました。
それもあってか、門跡寺院である曼殊院が持つ元よりの高貴さが、より強く感じられたように思います。
緑とのコントラストで白壁も映えます。
曼殊院は最寄りのバス停から徒歩15分~20分程度あるので、いつでも誰でも気軽に行ける場所というわけではないかもしれません。
ですが、深緑の美しさを味わえただけでも、汗をかきつつ坂を上ってきた甲斐が十分にあったと私には感じられました。
美しいのは青もみじだけではなかった
最初に目が留まったのは青もみじですが、それよりも更に美しいと感じたのは苔でした。
晴れの日よりも少し天候が悪いの日の方が、より美しさを感じられる気がします。
辺りが薄暗い方がより苔っぽい、のかも?
普段あまり苔には興味が無いのですが、そんな私でも苔の美しさに目を奪われてしまったのには理由がありました。
その理由とは、目線の高さに苔が見えることです。
バス停から曼殊院までは比較的ゆるやかな勾配が続いています。
そういうわけでこの曼殊院の建物も、参道より少し高い場所にあるせいでしょうか。
積み上げられた石塀の上に苔が見られるのです。
その石塀の上にも木々が生い茂っているせいか、参道を歩いていると、緑に包まれているような感覚にもなります。
なんとなく神聖な雰囲気があり、緑のおかげでリフレッシュもできますので、曼殊院の周辺はパワースポットとも言えるのではないかと思いました。
さいごに
私含む遠方からの単身京都旅行者にありがちなことだと思うのですが、数日間の旅行日程をタイムスケジュールなどで詳細に立てていると、目的以外のことを見落としがちです。
たとえば目的地の滞在時間を30分しか取っていなかったとすると、目的の事物を達成することだけに重きを置いてしまうので、その他のことを見逃してしまうのです。
恐らく京都在住の方は時間に余裕があることが多いでしょうし、せかせかした私のような旅行者がやりがちな見落としをすることはないのでしょうね。
今回は時間に余裕をもって現地は足を運んだので、目的の黄不動を拝見することだけでなく、曼殊院の周辺に見られる青もみじや苔の美しさをも堪能することができました。
秋の紅葉もさぞ美しいのでしょう。
またご縁があれば足を運んでみたいと思います。