立華の京都探訪帖

1200年の都を歴史・文化的視点から楽しむ旅記録 ᝰ✍︎꙳⋆

国宝・黄不動明王像、曼殊院へお里帰り

 

紅葉の名所、そして国宝の黄不動明王像が有名な洛北の曼殊院

京都の天台五箇室門跡の一つでもあり、門跡寺院(竹内門跡)としても有名なお寺です。

国宝の黄不動さまが曼殊院にお里帰りされるということで、是非お目に掛かりたく、先日出掛けてまいりました。

 

そもそも今回の特別公開は、昨年の10月末に150年振りに宸殿が再建・復興され、宸殿前庭も整備、黄不動明王像も修復されたことを記念したものです。

公開期間は2023年5月13日~7月2日まで。

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曼殊院は小さな桂離宮と言われています。

理由は桂離宮と似ているところがいくつもあるからだそうです。

もともと曼殊院は、伝教大師最澄により創建された鎮護国家の道場でした。

現在の曼殊院を造り上げたのは、桂離宮を創始した八条宮智仁親王の子:良尚法親王です。

この良尚法親王という人は、子供の頃に豊臣秀吉の猶子(養子)になっていた過去があり、鶴松が生まれるまでは関白になることを約束されていた人でもあります。

(のちに解消)

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最寄りのバス停から15分程度。

ゆるやかな坂道を上りつつ現地に到着すると案内が出ていました。

 

拝観料を支払って中へ

こちらの左が拝観受付のある管理棟です。

普段の拝観料は大人:600円ですが、今回は国宝のお里帰り特別公開ということで1000円でした。

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特別公開日程の終盤かつ週の中日、朝一で足を運びましたが既に何組か拝観客がいらっしゃいました。

それでも土日に訪れるよりはかなり空いていたのかもしれません。

 

大書院前のお庭は小堀遠州好み!

大書院前に広がるのは、遠州好みの枯山水庭園です。

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写真右手に見えるのが鶴島。

樹齢400年の五葉松がそびえ立っていました。

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こちらの写真右手に見えるのは亀島。

隠れてしまっているのですが、この写真の中には有名な梟の手水鉢も存在しています。

曼殊院は紅葉の名所といわれますが、紅葉の名所は青もみじの名所でもあります。

というわけで緑に包まれる境内がとても綺麗でした。

 

黄不動さまは昨年の秋に再建・復興された宸殿内に

黄不動さまは一体どこで拝見出来るのだろうかと楽しみにしつつ、院内を拝観していました。

最後にたどり着いたのは宸殿です。

この宸殿という建物は、昨年の10月末に150年ぶりに再建・復興されたばかりの建物で、門跡寺院においては中心的な存在だそうです。

(歴代天皇・皇室関係者の位牌がまつられているため)

明治5年に京都府立医科大付属病院の前身となる、京都療病院建設のために政府に献上されて以来、150年振りにそのお姿がお戻りに。

宸殿の前には盲亀浮木之庭という名が付いた前庭があり、広い大海が広がっています。

 

いよいよ国宝:黄不動さまとご対面

拝観順路を進み、宸殿内部に入るとすぐの場所に黄不動さまが展示されていました。

しかしそこには黄不動さまのお姿が二つ。

一つは国宝の黄不動さま、もう一つは愛知県立芸術大学が4年の歳月をかけて模写した黄不動さまでした。

今後国宝の黄不動さまは秘仏とされるそうです。

自分以外人がいなかったのでじっくり見比べさせていただきました。

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御朱印と竹の間をモチーフにしたクリアファイルなどの授与品もいただいてきました。

 

さいごに

今回初めて曼殊院を訪れましたが、有名な観光エリアとは違って京都駅から近い、アクセスが良いというわけでもないので、比較的空いていたのが良かったです。

しかし紅葉の時期になると大変の賑わいを見せるのでしょうね。

曼殊院には、良尚法親王が作った茶室:八窓軒もあり、こちらは事前申し込み制のため、ふらっと立ち寄っても通常は内部見学はできないのですが、いつかご縁があればと思っています。